扉は本当に必要?数を見直して叶えるコストダウン

コストダウン

「各部屋に扉があるのは当たり前」。
そう思い込んでいる方は多いのではないでしょうか。

実は、扉は建具の中でも意外と値が張るもので、数を見直すだけで大きなコストダウンにつながります。
この記事では、自ら新築を設計し7年間住み続け、業務でも10年以上新築・リフォームに携わってきた私が、扉の数とコストの関係をお伝えします。

読み終える頃には、扉の計画で何を確認すればよいかがはっきりします。
結論からお伝えすると、本当に必要な扉を見極めて数を減らすことが、無理のないコストダウンにつながります。


扉があるのが当たり前、そう感じるても仕方ないです

玄関、リビング、トイレ、浴室、各部屋の出入口、クローゼット。
家の中には数多くの扉があり、それが標準的な姿だと感じるのは自然なことです。

扉には、仕切りや目隠し、空調効率など、さまざまな役割があります。
だからこそ、各所に扉を設置することに疑問を持たない方がほとんどです。

私自身も自邸を計画する際、最初はすべての部屋に扉をつけるものだと考えていました。
しかし、検討を進める中で、扉の数を見直すという選択肢に気づきました。

間取り図を眺めているだけでは、扉の存在はごく当たり前の要素として見過ごされがちです。
壁や窓の位置は熱心に検討しても、扉一枚一枚の必要性まで考える方は、決して多くありません。

当たり前だと思っていたものほど、見直したときの発見は大きいものです。

問題の本質:扉の数がそのままコストに直結している

多くの方は、扉の役割ばかりに意識が向き、その価格については深く考えません。
問題の本質は、扉が建具の中でも比較的高額な部類に入り、設置箇所が多いほどコストに大きく影響することを見落としてしまうことにあります。

折れ戸のように構造が複雑なものや、断熱性能の高い扉は、物によっては数十万円することも珍しくありません。
家の中には玄関、リビング、トイレ、浴室、勝手口、各部屋の出入口、クローゼットなど、扉を設置する箇所が想像以上に多く存在します。

この事実を知らないまま、すべての場所に標準的な扉を設置してしまうと、積み重なった費用が総額を大きく押し上げることになります。

築20年以上のお住まいをリフォームする際も、この視点は役立ちます。
使っていない扉を撤去して開放的な空間にするリフォームは、費用面でもメリットが大きい選択肢のひとつです。

原因は3つ。すべて「扉の設置箇所の多さ」に関係しています

扉自体の単価が高い

扉は種類によって価格差が大きく、シンプルなものから、折れ戸や高断熱タイプまで幅広くあります。

機能性の高い扉ほど、単価も比例してどんどん上がっていきます。
玄関ドアのように断熱性・防犯性を兼ねる扉は、特に価格帯の上限が高くなりがちです。

設置箇所が想像以上に多い

各部屋の出入口だけでなく、クローゼットや畳の間の間仕切りなど、扉が必要になる場所は多岐にわたります。
間取りや使用目的によっては、当初の想定よりさらに扉の設置箇所が増えていくこともあります。

私が担当した現場でも、クローゼットの扉まで数えると、家全体で扉の数が想像以上に多くなっていた例がありました。
一枚一枚は小さな金額に見えても、家全体で合計すると決して無視できない金額になっていました。

玄関からリビング、寝室まで数えていくと、10枚を超える扉が使われている家も珍しくありません。

「扉は必須」という思い込みがある

多くの方が、扉をつけることが当たり前だと考え、本当に必要かどうかを検討しません。
この思い込みこそが、コストダウンの機会を逃す最大の原因です。

プライベート性が高く、他人が頻繁に出入りしない部屋であれば、扉がなくても支障がないケースも少なくありません。
寝室のクローゼットや子供部屋の押し入れなどが対象になるケースがあります。

一度立ち止まって「本当に必要か?」を考えるだけで、当たり前だと思っていた常識が変わることもあります。

扉があることで得られる安心感は確かにありますが、その安心感の裏にどれだけのコストがかかっているかを意識する機会は、これまであまりなかったのではないでしょうか。

解決方法:扉が本当に必要な場所を見極める

解決策は、すべての場所に扉を設置するのではなく、本当に必要な場所を見極めて数を減らすこと。

私の家では、WICや子供部屋・寝室のクローゼット、そして自分の部屋の入り口には、あえて扉を設置していません。
他人が頻繁に目にしたり出入りしたりしない場所は、扉がなくても中身が見られる心配がないと判断したためです。

最初は扉を設置しないことに、少し不安もありました。
しかし実際に暮らしてみると、扉がないことによる不便さはほとんど感じておらず、むしろ出し入れのしやすさに助けられています。

一方で、玄関やリビング、トイレ、浴室といった、来客の目に触れる場所や、プライバシーを守る必要がある場所には、しっかりと扉を設置しています。
すべてか、なしか、ではなく「場所によって使い分ける」という発想が、コストダウンの何よりの鍵になります。

子供部屋については、いずれ子供の成長に応じて、扉の要否をあらためて検討するという柔軟な考え方も可能です。
すべてを最初から完璧に決めきる必要はありません。

必要になったタイミングで対応するという発想を持つだけで、初期費用は無理なく抑えられます。
なお、扉をなくした場所の目隠しをどうするかについては、別の記事で具体的な工夫をお伝えします。

今日からできる具体アクション

  • 間取り図に描かれている扉を数え、それぞれの必要性を家族で確認する
  • プライベート性の高い部屋から、扉なしにできる候補を選んでみる
  • 扉の種類ごとの価格差を、見積もりで具体的に確認する
  • 子供部屋など将来変化する可能性のある部屋は、後から対応する前提で計画する
  • 来客の目に触れる場所は、扉を残す前提でメリハリをつける
  • 扉を減らして浮いた予算を、他のこだわりたい部分に振り分けられないか考える
  • リフォームの場合は、既存の扉を撤去する費用も含めて見積もりを確認する

「この扉、本当に必要ですか?」と自分自身に問いかけてみてください。
その一言が、見積もりの総額を大きく左右します。

一枚ずつ丁寧に見直していくことで、きっと思わぬ発見があるはずです。

まとめ

扉は種類によって単価が高く、設置箇所も想像以上に多いため、数がそのままコストに直結する建具です。
すべての場所に一律で設置するのではなく、プライベート性や用途に応じて必要性を見極めることで、無理のないコストダウンが可能になります。

来客の目に触れる場所には扉を残し、他人が出入りしない場所は思い切って扉をなくすというメリハリをつけること。
これが、コストと使い勝手を両立させる扉計画に確かにつながります。

自邸を建てて7年、そして10年以上の現場経験から、私はこの見極めの大切さを心からお伝えしたいです。
新築を検討している方も、リフォームを考えている方も、間取り図に描かれた扉を一枚ずつ数えるところから始めてみてください。

その一手間が、無駄のないコスト配分への確かな第一歩になるはずです。
気になる場所があれば、遠慮なく積極的に担当者に相談してみてください。

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