無垢材は樹種選びでコストダウンできる

コストダウン

「無垢材を使いたいけど、高そうで諦めかけている」。
そんな声を、打ち合わせの中でよく聞きます。

実は、無垢材は樹種によって価格が大きく異なり、選び方次第でコストを抑えながら質感を楽しむことができます。
自ら新築を設計し7年間住み続け、業務でも10年以上新築・リフォームに携わってきた私が、樹種選びでコストダウンする考え方をお伝えします。

読み終える頃には、どの樹種を選べばよいかがはっきりします。
結論からお伝えすると、杉や松といった針葉樹を基本にすることで、無垢材ならではの質感をコストを抑えて楽しめます。


無垢材は憧れ、使ってみたい気持ちはあるけど・・・

木の温もりや経年変化を楽しめる無垢材は、多くの方が憧れる素材のひとつです。
複合フローリングにはない質感や香りは、暮らしを豊かにしてくれます。

私自身も自邸を計画する際、床は無垢材にしたいという思いが強くありました。
ただ、ショールームでウォールナットやオークのサンプルを見て、その価格に驚いた経験があります。

「無垢材=高価」というイメージが先行し、諦めてしまう方も少なくありません。
しかし、無垢材の中にも価格帯の幅は大きく、選び方次第で予算内に収めることは十分可能です。

打ち合わせの初期段階で、樹種による価格差を知っているかどうかで、その後の検討の幅が大きく変わってきます。

問題の本質:樹種によって価格が大きく異なることを知らない

多くの方が、「無垢材」とひとくくりに考え、樹種ごとの価格差を意識せずに検討を始めてしまいます。
問題の本質は、ウォールナットやオークといった広葉樹と、杉や松といった針葉樹とで、価格に大きな差があることを知らないまま、憧れの樹種だけを追いかけてしまうことにあります。

広葉樹は成長が遅く、加工にも手間がかかるため、価格が高くなる傾向があります。
一方、針葉樹は成長が早く、国内でも比較的流通量が多いため、価格が抑えられていることが多くあります。

この違いを知らないまま「無垢材にしたい」とだけ伝えると、想定より高い見積もりに直面することになります。

築20年以上のお住まいをリフォームする際も、同じ視点が役立ちます。
床材を張り替える際、樹種の選び方次第で、リフォーム費用は大きく変わってきます。

原因は3つ。すべて「樹種の違い」に関係しています

広葉樹は成長が遅く希少性が高い

ウォールナットやオーク、チェリーといった広葉樹は、成長に長い年月がかかるため、木材としての流通量が限られています。

希少性が価格に直結し、針葉樹に比べて単価が数倍になることも珍しくありません。
輸入材の場合は、為替の影響を受けやすいという側面もあります。

国産の広葉樹も流通量が少なく、伐採から製材までの工程にも手間がかかるため、輸入材と同様に高価になりやすい傾向があります。

針葉樹は流通量が多く価格が安定している

杉や松、桧といった針葉樹は、国内での植林・流通が盛んで、比較的安定した価格で手に入ります。

成長も早いため、資源としての持続可能性という観点からも扱いやすい素材です。
針葉樹は柔らかく傷がつきやすいという特徴もありますが、その柔らかさが素足で歩いたときの心地よさにつながるという良さもあります。

夏はさらっと、冬はほんのり温かく感じられるのも、針葉樹ならではの特性です。

樹種と用途のミスマッチを考えていない

多くの方が、見た目の色味だけで樹種を選び、その部屋でどう使われるかまで考えていません。

傷がつきやすい場所に硬い高級材を使う必要はなく、逆に、傷を味わいとして楽しめる場所であれば、針葉樹で十分満足できることも多くあります。
子供部屋やリビングのように活発に使われる場所ほど、この視点が重要になります。

解決方法:場所ごとに樹種を使い分ける

解決策は、家全体を高価な広葉樹で揃えるのではなく、場所ごとに適した樹種を選び分けること。

リビングや寝室など、広い面積を占める場所は、杉や松といった針葉樹を基本にすることで、コストを抑えながら無垢材の質感を楽しめます。
アクセントとして使いたい場所だけ、ウォールナットなどの広葉樹を取り入れることで、全体のコストを抑えつつ、こだわりも実現できます。

私の家では、リビングの床は一面杉を採用しました。
面積の大きい場所を針葉樹にするだけで、全体の予算はかなり変わってきます。

杉は柔らかく傷もつきやすい素材ですが、その分、家族が暮らしていく中で自然についていく傷も、味わいとして楽しめています。
床に残る小さな傷を見るたびに、子供が小さかった頃の記憶がよみがえることもあります。

工務店によっては、他の現場で余った広葉樹の端材を、格安で分けてもらえることもあります。
「アクセントに広葉樹を使いたいが、板一枚分は高い」という場合は、こうした端材の活用も相談してみる価値があります。

今日からできる具体アクション

  • 検討している樹種の価格を、広葉樹と針葉樹で比較してみる
  • 面積の大きい部屋から、針葉樹を基本にする方針を担当者に相談する
  • こだわりたい場所だけ、広葉樹をアクセントとして使えないか検討する
  • 樹種ごとの硬さや傷のつきやすさを、サンプルで確認しておく
  • 端材や規格外の広葉樹を活用できないか、工務店に確認してみる

樹種による価格差を知っているだけで、無垢材への向き合い方が大きく変わります。
「無垢材=高い」で諦める前に、樹種の選択肢を広げてみてください。

まとめ

無垢材は、樹種によって価格が大きく異なります。
ウォールナットやオークといった広葉樹は希少性が高く価格も高めですが、杉や松といった針葉樹は流通量が多く、比較的手頃な価格で手に入ります。

家全体を広葉樹で揃えるのではなく、面積の大きい場所は針葉樹を基本にし、アクセントとして広葉樹を取り入れることで、コストを抑えながら無垢材ならではの質感を楽しめます。
自邸を建てて7年、そして10年以上の現場経験から、私はこの樹種選びの視点の大切さをお伝えしたいです。

新築を検討している方も、リフォームを考えている方も、「無垢材=高い」と諦める前に、樹種による価格差を知った上で検討してみてください。

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