「子供部屋は何室必要なのだろう・・・」。
新築を考え始めると、この悩みにぶつかる方が割といらっしゃいます。
子供の人数分、最初から個室を用意しようとして、部屋数と壁の多さに驚くこともあるはずです。
実は、最初から部屋を仕切らず、必要になってから間仕切りをするという方法があります。
この記事では、自ら新築を設計し7年間住み続け、業務でも10年以上新築・リフォームに携わってきた私が、子供部屋の考え方とコストの関係をお伝えします。
読み終える頃には、子供部屋の打ち合わせで何を確認すればよいかがはっきりします。
結論からお伝えすると、最初はワンルームにして、後から間仕切りするという選択肢は、初期費用を抑える有効な方法です。
子供部屋の数、悩む気持ちはよく分かります
子供が2人、3人といる場合、それぞれに個室を用意するべきか迷う方は多くいます。
将来のことを考えると部屋数を多くしたくなりますが、その分コストも上がってしまいます。
「今の子供の年齢」だけで部屋数を決めるのは、実は難しい判断です。
子供が小さいうちは、広い一部屋のほうがのびのびと過ごせることもあります。
私自身も自邸を計画する際、当初は子供が大きくなるまでワンルームにし、必要になったら間仕切りをしてもいいかなと考えていました。
家族で意見が分かれることもありましたし、子供が自分の意見を言える歳だったので、最終的にはコストと使い勝手のバランス、子供の意見を取り入れて判断しました。
打ち合わせの場で「子供部屋は何室にしますか?」と聞かれると、つい人数分の個室を答えてしまいがちです。
それが当たり前だと思い込んでいる方も、決して少なくありません。
まずは、その思い込みを一度疑ってみることから始めてみてください。
問題の本質:「今」だけを基準に間取りを決めてしまう
多くのハウスメーカーや工務店では、子供部屋を最初から個室として仕切って施工するケースが大半です。
問題の本質は、子供が小さい今の時点だけを基準にして、部屋の仕切り方を決めてしまうことにあります。
子供が小さいうちは、広いワンルームのほうが友達を呼んでにぎやかに過ごせたり、家族の目が届きやすかったりするメリットがあります。
最初から個室に仕切ってしまうと、こうした使い方の柔軟性が失われてしまいます。
さらに、部屋数を増やすほど壁や建具の数も増え、初期費用は確実に上がっていきます。
「今」ではなく「将来も含めた使い方」で考えることが、後悔しない間取りづくりの出発点です。
築20年以上のお住まいをリフォームする際にも、似た発想が役立ちます。
子供が独立して使わなくなった個室を、あえて一部屋に戻して活用するという選択も可能です。
お孫さんが来た際に、広々としたプレイルームとして利用されている方もいらっしゃいます。
新築でもリフォームでも、部屋の仕切りは「固定するもの」ではなく「変えられるもの」だと考えると、判断の幅が大きく広がります。
原因は3つ。すべて「最初から仕切る前提」から生まれます
最初から個室で仕切る前提で計画してしまう
子供部屋というと、個室が当たり前だと思い込んでいる方が多くいます。
最初から間仕切りをして施工すると、壁や建具の費用がその分上乗せされます。
部屋を仕切るタイミングを「今」にする必要はないのです。
後から間仕切りする際の準備を後回しにしている
「後で間仕切りすればいい」と考えていても、事前の準備が不足していると、実際に間仕切る段階で困ることになります。
スイッチやコンセント、照明を後から追加しようとすると、配線が露出してしまい、見た目が美しくなくなってしまいます。
私が担当した現場でも、間仕切り前提の準備をしていなかったために、後から大掛かりな追加工事が必要になった例がありました。
配線工事のやり直しは、壁を一部壊す必要が出ることもあり、想定より費用がかさんでしまいます。
間仕切りの位置に下地材を入れておくことも、忘れてはいけないポイントです。
下地がない状態で壁を後付けすると、壁の強度が不十分になったり、施工そのものが難しくなったりします。
夫婦や家族で意見のすり合わせができていない
間仕切りをめぐっては、家族の中でも意見が分かれることがあります。
「広く使いたい」という考えと、「最初から個室にしておいたほうが楽」という考えが、ぶつかることも珍しくありません。
この意見のズレを打ち合わせ前に整理しておかないと、計画が二転三転してしまいます。
私自身の家庭でも、まさにこのズレを経験しました。
「後から間仕切りすればいい」という私の考えに対し、妻からは「そんな面倒なことせずに最初から部屋にしたらいい」という意見がありました。
子供からも、「自分の部屋がほしい」という意思表示もありました。
どちらの意見が正しいというわけではなく、大切なのは家族の価値観をすり合わせておくことです。
解決方法:ワンルームから始め、必要な設備だけ先行施工する
解決策は、子供が小さいうちは広いワンルームとし、間仕切りに必要な設備だけを先に施工しておくこと。
具体的には、入口となる扉は将来の部屋数分をあらかじめ用意しておきます。
扉や窓、スイッチやコンセント、照明も、部屋がある前提で必要な数を先に取り付けておきます。
壁だけを後回しにするという考え方であれば、初期費用を抑えながら、将来の間仕切りもスムーズに行えます。
壁以外は先に施工しておく、これが後悔しないための一番のポイントです。
私が自邸で採用しようとした方法も、まさにこの考え方でした。
最終的に妻や子供の意見で新築の段階から個室にすることになりましたが、この「壁以外は先に」という発想自体は、多くのご家庭で参考にしていただけると思います。
実際に採用しなかったとしても、「壁以外を先に準備しておく」という知識があるだけで、打ち合わせの場での選択肢は確実に広がります。
知らずに個室ありきで進めるのと、知った上であえて個室を選ぶのとでは、納得感がまったく違います。
今日からできる具体アクション
- 子供部屋を検討する際、まず「いつから個室が必要か」を家族で話し合う
- 後から間仕切りする場合、入口の扉を部屋数分先に設置してもらう
- スイッチ・コンセント・照明を、将来の部屋数を想定した数で先行施工してもらう
- 間仕切り予定の位置に、下地材を入れておいてもらう
- 設計段階で工務店に「後から間仕切りする前提」であることを明確に伝える
「壁以外は先に、壁は後で」という合言葉を、打ち合わせで使ってみてください。
担当者との会話がぐっと具体的になります。
まとめ
子供部屋は、最初から個室に仕切らなくても、後から間仕切りをするという選択肢があります。
入口の扉やスイッチ、コンセント、下地材といった「壁以外」の準備さえしておけば、初期費用を抑えながら将来の変化にも対応できます。
「今」の子供の年齢だけでなく、将来の使い方まで見据えて間取りを考えること。
これが、無駄のない子供部屋づくりにつながります。
自邸を建てて7年、そして10年以上の現場経験から、私は「壁以外は先に施工しておく」という考え方の大切さをお伝えしたいです。
新築を検討している方は、ぜひ設計段階で工務店に相談してみてください。


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