前回の記事では、私が土地探しを始めた頃の経緯、そして重視した4つの条件についてお伝えしました。
今回は、その続きです。
タイトルの通り、土地が見つからないまま時間だけが過ぎていく、かなり焦った時期の話をお伝えします。
それでも最終的には、なんとか道が開けることになります。今回は、その顛末をお伝えします。
家づくりというと、間取りや設備選びに注目が集まりがちですが、実際には、土地が見つかるまでの時間そのものが、想像以上に大きな試練になることもあります。
今振り返っても、この時期が、我が家の家づくりの中で最も気持ちが揺れ動いた期間だったと思います。
1年が過ぎても、土地が見つからない
前回お伝えした通り、転校したくないという子供の意見を尊重し、校区が変わらないB町で、本格的に土地を探し始めた私たち家族。
しかし、あっという間に時間が過ぎていき、1年が経っても、条件に合う土地がまったく見つからないという状況に陥ってしまいました。
住宅の建築は、ハウスメーカーによって差はあるものの、だいたい4〜5か月ほどで完成するにが一般的です。
もし3月に引っ越そうと考えるなら、逆算すると、10月には建て始める(着工する)必要があります。
外構工事も含めると、さらに1ヶ月くらい前から建て始める必要があります。
さらに、着工までにも多くの手続きや確認事項、契約などが控えており、正直なところ、かなり焦っていました。
土地探しを始めたばかりの頃は、「1年もあれば十分だろう」という気持ちが正直ありました。
しかし実際にカレンダーをめくってみると、その1年があっという間に過ぎ去ってしまったことに、自分自身でも驚いていました。
親や友人にまで、協力を仰ぐことに
インターネットや情報誌を見ても、対象のB町では分譲の予定がまったくありませんでした。
そこで、親や不動産関係の仕事をしている友人にも協力をお願いし、何か情報があれば連絡をもらえるよう、お願いしました。
個人の情報網では限界があると感じ、少しでも可能性を広げるために、迷惑と分かりつつ周囲を巻き込むことにしたのです。
自分たちの力だけではどうにもならない状況の中で、周りの人に頼ることへの抵抗感よりも、とにかく前に進みたいという気持ちの方が、次第に強くなっていきました。
並行して、中古物件を探したり、田んぼを売りに出していないか確認したり、同じ町内の賃貸物件への引っ越しなども視野に入れるようになりました。
そして、当初の目標だった「長女が小学校に入学するまでに家を建てる」という計画を、この時点で一旦見直すことにしました。
「B町の賃貸物件に一旦引っ越し、B町の小学校に通えるようにする」という、より現実的な目標へとシフトしたのです。
家を建てることと、B町の小学校に通わせることは、本来セットで考えていたはずでした。
それを切り離してでも、子供の校区だけは守ろうとしていたことからも、当時の私たちがどれだけこの点にこだわっていたかが分かります。
家を建てるという目標そのものより、子供の生活環境を守ることを優先する。
この判断に迷いはありませんでしたが、それでも、当初描いていた計画が崩れていく感覚は、決して気持ちの良いものではありませんでした。
妻からのプレッシャーも、日を追うごとに強くなっていきました。
基本的に楽観的な性格の私も、さすがにこの状況には焦りを隠せなくなっていきます。
「本当に見つかるのだろうか?」と、夜、子供たちが寝静まった後に、夫婦で顔を突き合わせて話し合うことも、一度や二度ではありませんでした。
普段は前向きな妻も、この頃はさすがに表情が曇りがちで、家の中の空気も、どこか張り詰めたものになっていたように思います。
母からの思いがけない情報
そんな折、「B町で新しく分譲をする予定がある」という情報が、母から入ってきました。
正確に言うと、情報の出どころは母の友人だったのですが、藁にもすがる思いで、すぐに分譲業者を訪ねることにしました。
場所、土地の形、価格などを確認してみると、これまで想定していた条件に、ほぼほぼ合致していました。
長い間探し続けてきた中で、これほど条件に近い土地に出会えたのは、初めてのことでした。
電話でこの情報を聞いたときの高揚感は、今でも鮮明に覚えています。
1年以上、空振りが続いていた土地探しの中で、ようやく光が差し込んできたような感覚でした。
すぐに分譲業者にお願いをして、仮押さえをしてもらうことにしました。
ただ、ここで新たな問題が浮上します。
この時点で、長女の入学までは、すでに半年程度しか残っていませんでした。
しかも、この土地は開発許可が降りたばかりで、まだ造成工事の着工前という状態でした。
つまり、実際に家を建て始められるようになる(造成工事が終わる)までには、まだかなりの時間がかかる見込みだったのです。
仮に建て始められたとしても、長女の入学にはまったく間に合わない、そういう時期でした。
せっかく理想に近い土地が見つかったというのに、今度はスケジュールの壁にぶつかってしまう。
喜びと焦りが同時に押し寄せてくるという、なんとも複雑な気持ちを味わったことを覚えています。
悩んだ末、市役所に相談してみることに
さて、どうしたものか。
土地は見つかったものの、家の完成が入学に間に合わないという、新たな壁にぶつかってしまいました。
悩んだ末、基本的に楽観的な性格の私は、とりあえず市役所に相談してみることにしました。
思い返せば、以前にも似たような経験がありました。
もともとA町に住みながら、同じ町内の保育所には入れず、B町の保育所に通っていたという経緯がありました。
この経験から、「家が建つまでの間、A町に住みながら、B町の小学校に通えないだろうか」という考えが浮かびました。
学校区は、基本的にはあらかじめ決められています。
しかし、校区の境目にあたる地域だったり、校区外の学校の方が実際には近かったりする場合には、校区外の学校にも通えるケースがある、という話を以前どこかで聞いたことがありました。
このかすかな可能性にかけて、教育委員会へ足を運び、状況を説明し、相談することにしました。
窓口に向かう道中は、正直なところ、ダメで元々くらいの気持ちでした。
それでも、他に取れる手段が見当たらない以上、行動してみないことには何も始まらないという思いで、勇気を出して相談することにしたのです。
結果として、なんとかなった
結果として、思惑通りと言っていいのか分かりませんが、なんとかなりました。
理由としては、B町に分譲地を購入する予定があり、その後、家を建てて同じ町内に引っ越すことが想定できるから問題ない、というものでした。
校区外の小学校に通うための申請書と、土地の契約書のコピーを提出すれば良いということになり、無事に、長女はA町の小学校に通えることが決まりました。
土地の契約書こそが、まさにB町に家を建てて住むというエビデンスに近い書類というわけです。
正直なところ、この結果を聞いたときの安堵感は、今でもよく覚えています。
1年以上にわたって抱えていた不安が、一気に軽くなったような感覚でした。
家に帰って妻にこの結果を報告したときの、ほっとした表情も忘れられません。
長かった土地探しの日々に、ようやく一区切りがついた瞬間でした。
こうして、なんとか八方塞がりの状況から抜け出すことができました。
振り返ってみると、綱渡りのような展開ではありましたが、結果的には、家族にとって納得のいく形に着地できたのだと思います。
土地探しに時間がかかってしまう可能性は、誰にでも起こり得ることです。
だからこそ、当初の計画通りに進まなかったときのために、代替案や相談先を、あらかじめいくつか持っておくことの大切さを、この経験から強く学びました。
次回は、この後、実際に土地を購入してから、間取りを考え始めるまでの経緯について、お伝えしていきたいと思います。
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